患者とのトラブルを避けるための接遇のコツ

医療従事者は、患者やその家族の立場になって親身に接する接遇スキルを身につけておかなくてはなりません。しかし、日々忙しく仕事に追われていると、おざなりの対応になってしまうケースも少なくないでしょう。患者とのトラブルで比較的多いと言われるのが、受付での対応です。

患者は病院で診察や治療を受ける場合、受付時間や予約時間までに来院しておかなくてはなりません。しかし、時には道路の渋滞や公共交通機関の遅延などで時間に遅れてしまうこともあります。こうした遅刻に対して、むやみに「時間が過ぎたので、今日は対応できません」と伝えてしまうと、事務的で冷たい対応だとクレームに繋がってしまいます。ですから、柔軟に対応できない場合は、断りを入れる前に「申し訳ありませんが・・・」などのクッション言葉を入れて、応対することがポイントになります。

それから、診療科によっては、治療の問題で診察の順番が入れ替わるケースも珍しくありません。医師や看護師にとっては、これは日常茶飯事のことかもしれませんが、患者は違います。事情がわからないと「後から来た人を優先した」と誤解され、不快な気分になってしまいます。ですから、診察の順番が入れ替わる場合は、例え病院側に非がなかったとしても、声掛けをして、順番が入れ替わる理由についてしっかりと説明をしなければなりません。

医療機関はサービス業と違って、患者を「お客さま」として見ることはありませんが、身体に不具合があって来院していることを念頭に置いて、丁寧な応対を心がける必要があります。